仙台文学館での作品について

 仙台市青葉区北根にある仙台文学館。1999年に開館して、ぼくが初めて文学館に行ったのは次の年の2000年でした。詩の活動はしていましたが、文学館のようなパブリックな場でなにかをやったことはなく、かなり緊張しましたが、思い切って、館の方に声をかけました。「詩人として、この街で活動しているのですが、なにか一緒にできないでしょうか」と。これがぼくの初めての営業でした。

 そこから、いろいろとお話をさせていただき、できることを考え、詩のボクシングなどのお手伝いをして、初めて、仙台文学館で詩をリーディングさせてもらったのが、2001年の1月。ちょうど結婚したばかりだったので、「今まで以上にがんばらなくては」と気負っていた時でした。それから、すぐに、その時の奥さんとは離婚してしまいましたが、仙台文学館との関係は長く、続きました。

 最初のイベントが2001年ということは、続いていれば、今年で仙台文学館との付き合いも20年ということでしたが、コロナウィルスの影響で、昨年からイベントがなくなってしまいました。(それまでは毎年、イベントを開催させてもらってきました)

 イベントをさせてもらっていく中で、やはり、難しいのはお客さまに来ていただくことです。どんなに宣伝しても、詩を聴きに来てもらう、というのはなかなか大変なことですし、自分の作品やイベントのスタイルでは、アピールが弱いのも事実です。そこで、仙台文学館ではイベントをシリーズ化して、回数を重ね、来てもらえる機会を増やす。そして、イベントの中で作品を作っていき、来てくれた方たちにも、詩を身近に感じてもらえるようにする。そんなことを考えて、イベントを企画させてもらってきました。

 時には、参加型のワークショップをやって、アンソロジーとしてまとめたりもしました。また、文学館の展示企画に会わせて、リーディングをしたりもしました。自分の作品だけで、最初にまとめた作品集は季節ごとにイベントを実施した『4 Seasons』かな(なつかしいー)。

 近年は、ほかの表現者たちとの企画を増やしてきました。音楽(合唱)、バレエ、絵、演劇、小学生たちとの朗読劇、などなど。

 どの企画も楽しく、刺激的で、無茶な企画をよく通してくれたなぁ、と感謝しかないですが、そうした中で、ぼくの中で次第に、強く、意識するようになっていったのは、この街で詩をつくる、奏でる、ということでした。いつしか、それは「街の言葉」として、企画のコンセプトになり、このサイトのタイトルにもなっている『街の詩を奏でる』という、自分にとっての詩をつくり続けることとは、という問いが見えてきました。(答えじゃなくて、問い、ね)

 「街の言葉」として、ラジオやカフェ、ギャラリーでの仕事があり、そこでの出会いと仙台文学館での出会いが重なり、様々な企画を展開していきました。

やがて詩人は、八木山動物公園へ行き、動物たちの詩をつくります。仙台市天文台が移転した際には、新しい天文台で12星座の詩を作り、プラネタリウムでリーディングをすることにもなります。

 また、一時期は晩翠草堂で、土井晩翠の詩を自分の言葉にして、リーディングをするというイベントをやっていました。それに島崎藤村の詩を入れたものを一冊の詩集にまとめました。

 そのようにイベントを通しての出会いがあり、そこから作品が生まれ、それをまとめていく中で、また出会いがありました。そんなことができたのは、いつも、仙台文学館がぼくの活動の中心にいてくれたからだと思っています。

こうして書いているだけで、ふと思い出す光景があったりしますが、きっと、忘れてしまっていることもいろいろあるのでしょう。

企画してくれた各スタッフの方たちへ感謝です。また、ぼくの詩を訪ねてきてくれた方たち、一度だけの方も、何度も来てくれた方も、ほんとうにありがとうございました。

ぼくも、ぼくの詩も、年をとりました。あなたはどうですか?お互い、素敵な年のとり方をしているといいですね。

『バンスイ、トウソン ヲ、イマ ヨム。』

土井晩翠、島崎藤村の作品各8篇と武田こうじ訳各8篇が収録されています。

ART DIRECTION & DESIGN Mika Kobayashi(風の時編集部)
2010.6.18
1,000yen
在庫は10冊です。

『しっぽ』 

All Poems by Koji Takeda 2007-2009 in Yagiyama Zoo
ART DIRECTION & DESIGN Yuko Sato
2010.11.6
500yen
在庫は9冊です。

ご希望の方は kojiwords@yahoo.co.jp まで連絡をお願いします。

(写真にある、その他の作品は在庫がありません)

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